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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2
「静流、こっち向けよ……」
「……?」
真横から、夜景の青白い照明の光が差し込み……ハル兄のオトコらしいしなやかな肉体を、神秘的に彩る。
「………。本当に女神だな、お前。神々しい……」
切なげに彩られた、青白い顔。
「ちょ……なにを……」
こんな時に気障な台詞でからかわれたものだと思ったあたしが、文句のひとつを言おうとしたら、ハル兄は至って真面目な顔で憂えた瞳をしていた。
「いいのかな、俺がお前抱いても……」
「え……?」
「報いが……きそうだ」
ハル兄の瞳に葛藤の光が横切り、小さく揺れた。
「……。そんなものあたしが追い払ってあげる。あたしは……女神様なんでしょう?」
「はは……。ああ、そうだな」
ハル兄が笑った後、ふたりから言葉も……やがて笑みも消えた。
ただふたりの呼吸だけが聞こえる。
「………」
「………」
お互い、ふかふかの絨毯の上に両膝をついて座りながら、あたし達は熱を帯びた目でしばし見つめ合った。
そして、どちらからともなく吸い寄せられるようにして唇を重ね合わせ、強く互いの体を抱き合う。
密着した熱い体の感触に、心が震えた。
「ん、んんっ……ふぁ……んっ」
性急なハル兄の舌の攻めに、息を乱しながら辿々しく応えるあたしは、うっすらと涙が滲む目を開けた。
目の前には、苦悶の表情をしながらもとろりとした……愛おしげな眼差しを向けているハル兄がいる。
青白い光がハル兄の精悍さを強め、強められたオトコの艶めきに、あたしは思わず胸を高鳴らせてしまった。
鼻にかかったような甘い声を出してハル兄の舌に積極的に絡めれば、優しくあたしの後頭部を撫でながら、ハル兄はあたしの舌を吸い上げてくる。
音のない部屋に、淫らな水音とあたしの嬌声が混ざり合う。
そこに僅かながらもハル兄から甘い喘ぎ声が混ざれば、ハル兄が無性に愛おしくなって、ぎゅっとしがみつくようにしてハル兄の筋肉がついた背中を撫でた。