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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2
ネオンが瞬く夜色のパノラマ。
繊細な人工飾のか細い光を纏い、ハル兄のがっしりした体はあたしの下方に滑り落ちる。
両腕をついて後ろに反り返るあたしの背を片手で支えながら、首筋から這わせ下ろされたハル兄の舌が、乳房に行き着いた途端、存在を主張していた胸の頂きに肉厚な唇が吸い付いた。
じゅるるる……。
「あぁんっ……」
夜景を下敷きにした贅沢な錯覚に陥りながら、一層輝くハル兄の挑発的な眼差しから目を離すことが出来ずにいるあたしは、軽い眩暈を感じた。
夢にしないでと訴えながら、夢見心地だ。
今、世界にはあたしとハル兄だけしかおらず、夜空の上で一糸まとわずこうして抱き合っている――。
どうしよう。
ぞくぞくとした興奮がとまらないよ。
すごく、気持ちよくて寒気がしちゃうよ。
じゅるじゅる……。
「や……あっあっ、んんっ……」
ハル兄が淫猥な音を奏で、さらに強く胸の蕾を吸い上げては歯で甘噛みしてくる。
はしたない嬌声を上げながら身を捩れば、ぱさりと……まとめ上げていた髪が落ち、あたしの体に応じてゆらゆらと揺れるのが、硝子に映って見えた。
ああ、これがあたしなんだろうか。
ハル兄にむしゃぶりつかれて、こんなに淫猥な手つきで、大きく勃ちあがっている蕾を潰され捏ねられ、反対側は執拗な口淫を施されて、陸にあげられた魚のように体を跳ねさせているのが。
体が、悦んでいるのがわかる。
見ているだけで気持ちよさそうで、馬鹿なあたしはそれを映像のように他人事に感じて、ますます興奮してしまった。
あたしであって、あたしじゃない――。
そう感じるのは、舞台が広大な夜景だからなのだろうか。