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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2
 
 ハル兄のもう片方の手は、あたしの背中から尻を弄っている。

 乳房のように尻たぶを揉みしだかれ、ぐいぐいと腰を押しつけられる。


「……!!!」

 
 そこにはしっかりとした硬さがあり、ハル兄を見れば、挑発的な光を湛える漆黒の瞳は、喜悦の色を交えてあたしを見上げていた。


 持続している。

 それどころか、テラスに居た時よりも凄く固く、凄く熱くて。



 どくん。



 "おいしそう"



 これが貰えると思っただけで、濡れてくるあたしはなんて淫乱なんだろう。

 

 どくん。



 "このご馳走を待ってたの。食べたい、食べたいっ!"



 欲しいと思うのは葉山静流であり、"あんた"じゃない。

 だから出て来ないで。


 "食べた……"



 お願いだから、ハル兄を食らおうとしないで。

 あたしは……ハル兄に食べられたいから。



 "食……"


 お願い、今日は出て来ないで。



 あたしは意識的に、心に栓をして邪な声を遮断した。

 たとえひとときの効果しかなくとも、ひとときでも邪魔されたくないんだ。


 淫魔じゃなく、普通の女の子として、ハル兄が欲しいから。


 声と、おかしな動悸は消えた。


 だけどいなくなったわけではない。

 あたしは注意していないといけない。


 どんなにふたり快感に流されようとも、あたしがハル兄を護るんだ。


 そんなあたしの意気込みを知ってか知らずか、ハル兄は、固く勃ちあがった自分のモノであたしの秘部を摩擦してきた。


 摩擦というより……あたしの滴る蜜をなすりつけているかのように、ゆっくりとゆらゆらと揺れるように、ハル兄は腰を前後に動かしている。


 蕩けたような艶めかしい顔を見せながら。


 つい最近の感触と違う。

 張りのある灼熱の太い棒に擦られている感触。

 さっきより、大きくなっている!?


 前以上の……完全復活!?



「完全復活……したの?」



 こくりとハル兄が頷いた。
 

 これも夢かな?

 ああ、凄く嬉しい――。

 
「やった、やったあああ……っ」


 あたしは感涙してハル兄にすがりついた。

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