この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2
「ハル兄、なにか悪いもの食べた?」
「俺、肉と酒しか食ってねぇよ。つーか、腹に入れて時間経ってるし」
気怠そうにしているのに、その眼差しはぎらぎら光って妖艶で。
続行を決して諦めているわけではなく、むしろ最後までしたくて仕方が無いのに、この熱や息苦しさが邪魔してイライラしているようにも見える。
「食べ物のせいじゃないのか……」
食べ物……。
「――!!!?」
そして、はっと思い出す。
ハル兄も同様に、体をびくりと動かし、あたしを睨み付けるようにして言った。はぁはぁと肩で息をしながら。
「俺の質問に……答えよ」
この、あたしを威圧してくる高飛車な態度とともに、乱れた息と一緒に放出される艶気が半端なく。
ハル兄の艶に空間が染められそうになる。
「は、はぁ……なんでございましょう」
自信か?
EDからの復活で、ここまで艶めいてしまったのか!?
しかしその割には苦しげで、ちらちらと攻撃性を見せるその眼差しに、若干及び腰になりながら答えた。
「俺様に食わせたものはいかなるものか」
「帝王への……献上品でございます」
「献上品?」
「は、はい。夕子さんの……」
「夕子?」
「禁煙を迫った、ニャン吉の未来の嫁でございます」
「あのド淫乱の元ヤンか!? そんな奴のものを俺に食わせたのか!?」
帝王様の声がひっくり返る。
「だ、だって……波瑠にプレゼントだって。あたしも食べていいって……。一体なんなの? クッキーでしょ?」
ハル兄は顔に片手を覆った。