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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
 

 ああ、そんなことより。


 性技に優れたこの兄弟、テーブルの下でのお戯れとおイタは半端ない。

 この兄弟と関係するようになってから、あたしは淫らに濡れやすい体となってしまったから、こうした絶妙な触り方を、さらには人目を忍ぶ状況でされれば、体が火照らないわけもない。


 息が乱れ言葉が震えるのを必死に我慢しながら、ふるふると小刻みにあたしは下半身を震わせ、ウサギとしどろもどろな会話をした。

 聞かれれば答えたけれど、なにを聞かれてどう答えたのか、最早記憶に定着するものではなく。


 ショーツの外側から尻を這うハル兄のごつごつした指と。

 内股を這いながら、時折足の付け根部分を繊細な足先で押してくるナツと。


 ふたりが与える触感は、まるでひとりが前戯を始めたかのように繋がり、はしたなくもショーツは濡れている。

 それを知るのは、きっとナツだろう。

 靴下があるから直接的な触感はなくとも、蕩けた秘部を押した感じで彼なら、どうなっているのかすぐにわかるはず。


 気持ちいい……と言えるまでの快感にならないのがもどかしい。

 「やめて、嫌だ」という理性に反して、めちゃめちゃに愛されたいあたしの本能。


 誰に?


 そんな声が聞こえてくる。

 それは淫魔ではない、あたしの心だ。


 誰に愛されたい?



 帝王か、王子か。


 あたしは――。


「……ぁ……っ」



 あたしが愛されたいのは――……。


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