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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘


「ナツとハル兄が遊んでいた?」


 なんだか……聞いてはいけないフラグを立ててしまった気がする。



「僕がしーちゃんの足担当で、波瑠兄がしーちゃんの手担当。ふふふ、スリル満点気持ちよかった?」


 ……思考停止。


「足担当のくせに、随分と境界乗り越えてきたな、ナツ」


 タバコを吸い始めた不遜なハル兄に、ナツは確信犯的に微笑んだ。


「それを言うなら、波瑠兄だって。手の担当のくせに、なんで下に降りてくるの?」


「俺は外側だけで、お前みたいにつついたりしてねぇぞ?」

「昨日まで波瑠兄散々いじってたんだから、ちょっとくらいいいでしょう? 交互にっていうのが約束なんだから」


 ぷっくりとほっぺが膨らむナツ。



 ……待て。

 あたし置いてきぼりのこの会話は待て。



「……ハル兄のお戯れはナツの知るところで、ナツのおイタはハル兄の知るところだったわけ?」


「勿論」


 兄弟仲良く声を揃えた。


「いつから示しあわせてたの?」


 兄弟は顔を見合わせて、口々に言った。



「ついさっき。俺がまず宣言したから。ナツの前で手を上げただろ、このウイスキーのコップ持って」

「だから僕は、波瑠兄の前でお手拭き落としたでしょう? 足の宣言だよ」

「ナツ、お前宣言遅くなかったか? その前からやらかしてたろ」

「事実確認の観察も必要だし。波瑠兄だってその前から片手隠してたよね?」


 あたしの握った手がふるふると震えた。



「いたいけなあたしを嬲って楽しいか!!」



「勿論」


 また兄弟は仲良く声を揃えた。



「現況の天秤の傾き度合いで、努力の方法変えなきゃいけないし」

「抜け駆けはしねぇ。これが条件だからな」

「そう。そして交互に。今度は僕の番だからね、波瑠兄」

「わかってるよ。……クソっ」



 意味不明なことでも兄弟には意味は通るらしい。


 だから、こういう時は。

 こんな卑猥な兄弟に絡まれた哀れな女の子は。




「おまわりさーん、たすけて――っ!!」




 しかし正義のおまわりさんは、トイレから出ては来なかった。



 ……あたしは気づかなかった。

 卑猥な軽口を叩き続ける変態兄弟の顔に、互いを反発しあうような……悲壮な翳りが出来ていることを。



 
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