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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
「へぇ~。裏情報はどこから?」
ウサギは動じることはない。
むしろ楽しそうで。
「さあ、どこでしょう? 僕は僕で色々なところにコネがありますから。だからしーちゃんを護れって、アドバイスまで貰っちゃいました~」
恐っ、恐っ、恐っ!!!
ナツ様、笑い顔が恐っ!!!!!
「ぶあっははははははは」
「ふふふふふふふふふ」
ひぃぃぃぃっ!!
なにこの謎の笑い合い。
なにこの険悪な空気。
「そういえば、ハルを慕ってたガキ、『飛龍』の後代の副総長やったんだよな。確か弟ちゃんの友達だったっけ? だとすれば情報の出所は、古巣か。ああ、おかしくて腹痛ぇ」
「では、永遠にトイレへどうぞ?」
「お前達の助けになろうとしている俺にそう来るか、本当に俺を追い出しにかかるとは。ぶははははは」
「そりゃあ貴方の態度次第で。うふふふふふ」
だから笑わないで。
寒気するよ、ぶるぶるしちゃうよ!!
「さすがはハルの弟ちゃんだ。もしかして短気でヘタレ過ぎるあいつより、タチ悪いほど肝据わっているかも。お前、ハルの後継いで総長やればよかったのに。ははは、ひぃっひっ……」
「お褒め下さり光栄です。ですが僕は至って真面目なただの学生でいいので。目立つことはすべて波瑠兄に任せていますから。あ、しーちゃん以外は」
「あはははは。そうやって兄貴立てながらちゃっかり所有権主張するトコ、俺、弟ちゃん好きだわ。こりゃあハル、簡単にいかねぇな」
「簡単にいかれては困ります。ね、しーちゃん」
「ふへぇ?」
蚊帳の外状態で突然話を振られたあたしは、震えながら間抜けな返事をしてしまった。
「なんだその人ごとのおっかしな返事」
するとさらにウサギは笑った。大爆笑だ。
「ロリちゃんがこうなら、こりゃあ話はサクサク進まねぇな。弟ちゃん、冗談だよ。昔はとにかく、今の俺はこれでも警部補だ。ところ構わず食っちまうことができねぇ、可哀想な公僕の身。ちょっとお前の反応を見てみたかったんだよ。ハルは、昔から俺いじくりまわしてたから知ってるし」
なにをされていたのだろう?
「冗談には思えなかったけどね……」
ぶつぶつと気にくわないようなナツの独り言が聞こえた後、ウサギが息を整えてあたしを見た。