この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
 

 ナツは目を細めた。


「……売店に行ってからは、しーちゃんしか電話してない」


 モモと電話してたの、嘘つくんだ?


「中央棟に行く前に電話掛かってきて、その後頻繁に電話来たのは、誰?」


「……サクラだよ」


 ナツは疲れたようなため息をつく。


「嘘。ナツの画面……モモって出てた」



「はあ!?」


 驚いた顔をしたのは、クソメガネ。


「モモ――っ!? それならそうと、早く言えよ……っ!! あんたが尻軽ミスコンがどうとか言うから!!」

 そしてひとり勝手に頭を抱えた後、ナツに言った。


「ナツ、スマホ出せ」

「なんで……」

「いいから」

「あ、ああ……」


 そしてクソメガネの手に渡ったナツのスマホ。

 クソメガネは着信履歴を見る。


 頻繁にあるのは……『波瑠兄』と『モモ』。


「ほら、モモじゃん!! 発信履歴も見てよ!!」


 そしてあたしが画面を押して、ナツが過去電話をかけた一覧を出せば。

 上位があたしの電話になっているものの、波瑠兄と……モモ。


「どこにも『サクラ』なんてないじゃない!!」

「………」


 クソメガネが、モモに通話した。

 え、いきなり!?


 そして響いた音楽。

 それは……クソメガネが尻ポケットから取り出したスマホからだった。


「ええええ!? なんでこの電話が鳴るの!?」


 クソメガネのスマホの画面には、『佐伯奈都』となっている。

 そしてクソメガネはナツのスマホを一度終らせ、そして自分のスマホから今し方着信があったばかりのナツの番号へ通話した。


 そして鳴り響くのは……。


「あ、愛の賛歌……っ!!」


 あたしが何度も聞いた、モモちゃん専用着メロ。


「え、ええ!? どういうこと!? なんでクソメガネに繋がるの!?」



「俺の姉の名前は……百合。次の姉が菫。次の姉が梅」


 クソメガネはなにを言いたいのだろう。

 なんで突然佐倉家事情?



「で俺が……桃だ」


「はあ」

「………」

「………」

「………」


「なんですと――っ!?」


 あたしは驚きながら、ナツを見た。


「クソメ……いや、ここのサクラくんは、モモちゃん!?

佐倉桃が本名!?」


 こくりとナツが頷いた。
/920ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ