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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
二戦目を勝ち抜き、待ちに待ったパンツ穿き穿きタイム……と思いきや、メタボ司会者が、更衣室に走ろうとしたあたしを引き留めた。
「休憩時間に入る前に、その後の決勝戦に判定員として参加してくれる、凄いゲストを紹介しちゃうYO~」
ゲストより、あたしゃパンツを穿きたい。
パンツを穿く休み時間が削られるじゃないか。
どうしても決勝戦までに観客を集めたい、司会者事情もわかるけれど、こちらのノーパン事情もわかって欲しい。
決勝戦こそは落ち着いて、ゲームに集中したい。
いや、あたしはそこそこ落ち着いていたのだろうけれど、心配性&苦労性のモモちゃん…、19歳の若さを吹き飛ばすほどに凄くぐったりだから。
チェリーのまま、心身共に老けてしまいそうだから。
綺麗な初恋のお姉さんは、モモちゃんを助けなきゃ!!
……と、モモちゃんのせいにしつつも、あたしもパンツをはかなきゃいけない事情があったりする。
「さあ、ゲスト紹介っ!! 決勝戦の判定を下すのは、Dangerous Scentのデザイナー、Mr.片倉遊佐~。カモン、Mr.片倉~」
割れんばかりの拍手が湧いてる。
あたしが気になるのはデザイナーよりパンツだ。
実は、コダマくんの記憶蘇生のおかげで、あたしの下半身の一部は風邪をひきそうになっている。早く乾かすか、外気から守らねばならない。
気になり始めれば、風にすぅすぅする部分がひんやりとしてきて、本当に身体の内部から具合悪くなりそうで。
頭の中で、昔昔の若かりし帝王の声が蘇る。
――いいか、据え膳たる女の使命は、腹……特に下腹部を温かくして、いつでも俺様に従順にしておくことが大切だ!!
小学生になったお祝いに、ハル兄から貰ったのは赤、青、黄三枚セットの……原色信号機色の毛糸のパンツ。
ご丁寧にもちゃんと名前まで、ハル兄直筆の筆字で入っていた。