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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
「え!? ナツ……!?」
それは――。
椅子に座っていたはずの人形。
「ねぇ……しーちゃん」
――否。
あれは人形ではなかった。
だから……椅子にはもういなかったんだ。
本物との区別が困難に思った、ナツ人形は。
だからこれは――、
人形のふりをしていた……
「サクラが……好きに……なっちゃったの?」
紛れもない、本物のナツだ。
今、この部屋にいるのは、あたしと……、
「僕が……しーちゃんが好きでたまらないこと、僕が最後までしーちゃん抱くために、どんなに頑張っているのか……、しーちゃん……まだわかってくれてなかったの?」
熱い肌を擦りつける本物のナツだけ。
「なんで――」
なんでここにいるの?
合宿はどうしたの?
聞きたいことは色々なのに、ナツはなにやら切羽詰まった様子で、身体を震わせながらあたしを抱きしめている。
「ちょ、どうし……」
「僕がいない間……、
しーちゃんは、サクラに抱かれたの?」
そして……あたしの首筋に顔を埋めると、陰鬱にも思える声を響かせ、
「波瑠兄のように、下のお口で……サクラを迎えたの? ……僕ではなく、僕の親友の方を……?」
……慟哭したんだ。
「あんなに……下のお口で繋がりたいと!! 合宿頑張るから、ここのホテルで繋がろうねって、僕……言ったのにっ!! それなのに……なんでサクラとシたんだよ!! なんで待っててくれないんだよ!?
僕がどれほどしーちゃんのことが好きか、医務室で伝えたじゃないか!! それでもまだ、わからないのか!? わかろうとしたくないのか!?」
爆ぜたように。
「え、ナツ!?」
なにか誤解をしている――そう思った時、
「どうしてなにも着ていないの? どうして全裸なのにあんなにサクラと身体を密着してたの!? 」
前に伸びてきたナツの手は、あたしの濡れたままの秘部を弄ったんだ。
……淫らな粘着質な水音を響かせて。