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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
 


「どうして……こんなに濡れているのさ!?」


 苛立たしげに……ナツが、がぶりとあたしの肩を噛んで、



「どうして、どうして!?」



 あたしの秘部をかき混ぜた。



「や、あんっ、ナツ、やあああんっ」
 

 声が殺しきれない。

 ナツの指は、荒々しくても巧妙すぎて。


「どうしてこんなに凄い音をたてるんだよ!?」

「はっ、はっ、ナツ、ナツ……誤解……っ」


「誤解じゃないだろう、ちゃんとこの音を聞けよ!! 僕がいないのに、波瑠兄もいないのに、どうしてここを濡らしているの、サクラとなにをしたんだよ!!」


「違う……ナツ、あたし達はなにも……」


「言ってたじゃないか!! しーちゃんが、皆の前で!!」


――ついさっき、モモちゃんと初合体したんだから!! あんなに初々しく頑張ってくれたモモちゃんが、別のシズルと合体してたなんてありえない!!


――痛みなんか感じないほどに、モモちゃんはうまくて凄くて、何度も何度も失神もんで、ぐりぐりぐりぐり……。


 あの場を見て、聞いていたのか。


「それは、そう言わないと……っ」

「はっ、なに演技だって!? サクラだって、言ってたじゃないか。サクラが、あのサクラが、皆の前で赤くなりながら……っ」


――幸せ……でした。


「あんなサクラ……僕は今まで見たことがないっ!! ……苛ついて、ただ苛ついてっ!! しーちゃんもサクラも!! ばきばき…ものを壊してもまだ足りなくてっ!! 僕はしーちゃんを想い続けてきたのに、僕だけがなんでしーちゃんを抱けないのかと思ったら!!」


 ナツが……泣いている。


「うまく……いく予定だったのに。早く早漏を克服しようとしてたのに!! どうして僕はうまくいかなくて、なのにどうしてサクラはうまくいって。

早くしーちゃんと繋がりたい。早くしーちゃんと愛し合いたい……思えば思うほどうまくいかなくて!! 気分転換すれば、休憩してしーちゃんに会えば、今度こそは頑張れる……そう思って会いに来たのにっ!! 来なければよかった。来なければ、こんな辛い思いしなくてもよかったのにっ!!」


 心ごと、泣いている――。



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