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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
 

「こんなに好きなのに!! 好きで好きでたまらないのにっ!! どうして12年前も12年後も、しーちゃんは僕を見てくれないんだよ。どうして他の奴とばかり、僕ができないことをしてるんだよっ!!」


 ナツの手は、詰るように攻め立てくる。


「僕だって……しーちゃんを愛したいんだっ!! それなのに……どうして僕はできない!? どうして皆、僕を除け者にするんだよっ!! 僕の気持ちをわかっていて、なんで皆僕を裏切るんだよ!!」



 あたしは、その押し寄せる快感の波に押されながらも、身体の向きを変えて……ナツを抱きしめた。


「モモちゃんは、ナツを裏切らない。それは……ナツが一番よく知っているでしょう?」

「だけど、実際……っ。マイクが拾った言葉だって……」

「信じて、ナツ。モモちゃんもあたしも……ナツが思っていることはしていない」

「じゃあ……なんで……」


 指を動かし、潤い続ける秘部から……くちょりと、淫らな音を聞かせるナツ。


「コダマクン……思い出して」

「え?」


 ナツが濡れた瞳を向けてくる。


「ナツがしてくれたこと……思い出したの」


 言っていて恥ずかしくなってくる。



「それと」

「と?」


「アダルトナツ……、ハル兄が言っていた、ナツがモデルしているとこのデザイナー、あれに……あたしの淫魔が反応して……」

「……っ」


「ごめんね」

「………」



「ナツ人形、誰にも渡したくなくて……モモちゃんと絶対あのクイズ大会で優勝したくて。だからモモちゃんも、あんなに真っ赤になりながら……頑張っていたでしょう。ナツを護るために」

「………」


 くすん。


 鼻を啜る音が聞こえた。
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