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目が覚めたら。
第9章 変態王子様の奮闘
「ナツ、だから事故なんだって。モモちゃんと幸せ気分なんか味わう余裕もないほどの事故っ!!」
「そうそう、お前がしてるようなあんな濃密なもんじゃ……」
「はい!? なんであたしとナツが濃密なのをしてるなんて知ってるの!?」
「は、は!? 怒るトコロかここ!? 違うだろ、焦点はそこじゃないだろう!?」
あたしもパニック。
モモちゃんもパニック。
わいわい、ぎゃあぎゃあ。
そんな中に響いた、穏やかな声。
「僕をハブにしてふたりで勝手に幸せになった、お仕置きをしないとね」
「「!!!?」」
パニックふたりは、瞬時に震え上がる。
ゆらりと、まるで陽炎のようにナツが動く。
……明らかになにかの"意志"を持って動き出した。
動いて現われてくるのは、ホワイトナツか。
それとも、ブラックリストに載っているブラックナツか。
笑みを絶やさず近づくナツに、あたしもモモちゃんも……恐怖に萎縮したまま動けない。
そして――。
「ねぇ、サクラ」
ナツ、モモちゃんをターゲットON!!
ごめん、モモちゃん……。
初恋のお姉さん、動けないよ。
動いたらおしっこちびらしちゃいそうだよ。
ナツはモモちゃんの頬に両手を添えると、うふふふと微笑んだ。
残忍にも思える、美しい笑みで。
「そんな怯えた顔しないでよ。僕達、親友だろう?」
そして――。
「!!!!?」
モモちゃんの目が見開いた。
ムンクの叫び状態になっているあたしの前で、ナツはなんと……
「うぉぉぉぉぉっ!!」
モモちゃんに"ぶっちゅう"をやらかしたのだ、唇に。