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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
ナツと別れ、時間に焦るメタボ司会者に促されるがまま、アトリウムど真ん中に移動させられたあたしに、執事兼護衛役ともなったモモちゃんもついてくる。
あたしの左には、別れたばかりのナツ……ではなく、ナツのお人形。あたしの右にはモモちゃん。イケメンに挟まれたあたしは、ノーブラ&ノーパン回避のために水着を着用したといえども、イメージモデルどころかちんちくりんのアラサー淫魔。
特になにも考えていなかったけれど、これはブーイング必須なのでは?
野次で殺されちゃうかもしれない……。
小心者のあたしは、内股でモジモジ。
………。
いやその……私事にて姿勢を変更……。
「どうした? なんで"体丸めてガニ股"? 怪我でもしたのか?」
理由は言いたくはなかったけれど、優しいモモちゃんが心配するから、怪我ではないことをきちんと言わなくては。それこそが信頼関係。
「ナツにおイタされたから、姿勢正すと"そこ"がひんやりして……」
ナッちゃん人形を一瞥してモジモジしながら言うと、モモちゃんは数回目を瞬かせて、遠い目をしたまま……やがて固まった。
「………」
「………」
「………」
「……モモちゃん? おーい、モモ……」
「あんたなっ!! どうしてそういうことを、わざわざ俺に知らせて想像させるんだよっ!! 黙ってろよ、ひとりで卑猥なことを妄想してろよっ!!」
想像しちゃったらしいモモちゃんはお顔が真っ赤だ。
「え、でも聞いたのはモモちゃんで……。それにあたし"おイタ"としか……。卑猥って……ちなみにどんなの想像したの?」
それはただ純粋な好奇心だったのに。
……暫く、モモちゃんは口をきいてくれなくなった。