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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
 

「決勝戦は、LOVELOVEカップルのATSUATSUぶりを皆に見せつけてNE~。採点者はMr.片倉、私とそして観客の全員だYO~」


 シークレットが明かされるが、あたしはだから一体なにをさせられるのか、まるでわからなかった。


「……ちっ」


 しかし舌打ちするモモちゃんは、それだけでわかったようで。

 尋ねようとした時、丁度ゆ~ちゃんが観客に"なにか"を配り終えたようで、司会者の説明が始まった。


 "なにか"――。


 なんだか矢印形の棒付きパネルみたいに見える。


「観客~、ゆ~ちゃんから2種の札、受け取ったかE~? カップルのLOVELOVE披露時間は10分以内。それを見て、LOVELOVEを支持する採点者は『ACCHICCHI~』と書かれた上向き矢印の札、支持しない場合は『NAENAE~』の下向き矢印の札をあげてね。上向き矢印の数をカチカチ数えてくれるのが、こちら日本○鳥の会の皆さんだ。はい、彼らに拍手~」


 なにやらぞろぞろと集団が出て来た。


 ……どうしてこう突っ込みどころが満載なのか。


 まずさ、矢印にそんなダサダサな名前をつけなくてもいいんじゃないの?

 そして。そんな矢印を数えに、わざわざ大晦日国民的な歌合戦の番組に登場する、普段どんな活動をしているかよくわからない団体が呼ばれたの?


「ここのスタッフは、矢印の数を数えられないのか? こんな程度にあんなに大勢を鳴り物入りで迎えるのも迎えれるのも、俺なら恥ずかしいだけだが……」


 モモちゃんに同感。


「観客の矢印は1点、私とゆ~ちゃんの矢印は10点ね。観客支持者が30人越えるごと、10点ずつサービス加算。まずはそこで点数を出してから、Mr.片倉の点を最後に加算するYO~。ちなみにMr.片倉はひと組だけしか点を入れられず、なんと50点!! 凄いNE~!!」


 ……点数、集計する必要ないんじゃないですか?
 
 いっそアダルトナツの点数だけでもいいような気がするのだが、それでもメタボ司会者なりイベント開催側としては、観客を巻き込みたいようだ。

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