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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
 


 そんな時。耳慣れた旋律にて、突如響いた女声。

 

『あンあンあンっ、とっても大好き♪』



 ……?

 ……お? 


 ここで止った?


 最後が流れず詰まった感じとなり、思わず前のめりになってしまったあたしに、司会者の声が響いた。



「終了の合図だYO。いいところで時間NE~。この熱気は凄かったNE~」


 突然なされた終了宣言にて、残念そうな声があちこちからあがる。


 だけどあたしとしては、気になるのは"C"までにいかずとも、誰もが魅入っていた(らしい)艶技ではなく、詰まって聞こえて来たワンフレーズで。



「狙ってるな」

「狙ってるね」



 一時休戦。モモちゃんに激しく同意。


 ドラ○も~ん、君は偉大だよ。

 君の名が入らないと、あのほのぼの曲が卑猥になるなんて。

 これからこの国民的人気長寿アニメの君のOP曲が流れる度、君の名のありがたさと、大人の汚さやいやらしさを感じてしまうよ。


 そして大学生カップルはゆ~ちゃんが渡した大きなタオルに身を包んで立ち上がり、真っ赤な顔でぺこりと挨拶。


 ……初々しいのに。

 こんなに擦れてなさそうなのに。

 彼女がプロでも素人でも、皆を欺く技に吃驚だ。



 12年後の世の中は謎ばかり。


 ……初々しかったのに。

 あんなにピュアピュアだったのに。

 彼がチェリーでもそうでなくても、悪の染まり具合に吃驚だ。


 12年後の大学生事情の変化には、アラサー淫魔はついていけない。


 淫魔よりも色気を滲ませたモモちゃん。

 君は唯一のインテリを捨てて、一体何処へ行く?

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