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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
「というより、波瑠さんは強引な部分は確かにあるが、あんたを騙したことがあるのか? たとえば?」
意外や意外。モモちゃんは騙されたことがないらしい。
いや、この盲目的な帝王……いやいや魔王信者ならば、騙されたことすらわかっていないのかもしれない。
「えっと……たとえば"据え膳"。あたしずっと、女には"据え膳"にならないといけないという義務があるんだと思っていたし。あたし得意になって、同性のお友達に小学校で布教してたのに」
「………」
「あとは……。ハル兄は正義の味方の"ライダー"だと思ってたし。あたしライダーもの大好きだったから、ハル兄のライダー苦労話を本当のものだと思って聞いていたのに。本物だと見せてくれたライダーのベルト。実は佐伯パパのぎっくり腰の時に使ってた腰ベルトに自転車のライトをつけたものだった。あとは……」
「いや、もういい。なんだか、波瑠さん……可愛い……」
見上げれば、なぜか口元に手を置いて真っ赤になっている、魔王の腹心ダークチェリー。
やばいぞ、黒く染まったら、今度はハル兄が彼の"萌えポイント"になるなんて。あの鬼畜卑猥帝王が、萌え要素なんて絶対やばいってば!!
「モモちゃん、禁断の扉を今すぐ閉めて。そっちに行っちゃ駄目!!」
意味するところを察したのか、綺麗なお顔を歪ませた聡いダークチェリー、すぐさまにやりと笑って、あたしの耳に囁いた。
「あんたの方が可愛いよ」
ぞくり。
やばい、やばやばやばっ!!
「あははは。すごい真っ赤」
この確信犯なダークチェリーは手強い。
お姉さん、ドキドキしちゃったじゃないか。
「合計出たYO~」
ゆ~ちゃん共に、メタボ司会者が持つ矢印パネルは上向きだ。
「大学生カップル、点数は……なんと!! 110点!!!」
つまり、おかめに勝つには、50点持ち点のアダルトナツと、各10点の司会者&ゆ~ちゃんを戦利点に含んだ状態で、41人以上の支持を得ないといけない。
「41人か……。まあ次がどうかによって、最低基準が変わるが」
「41点。毎回テストで、その点数目指してどんなに苦労したことか。モモちゃんにはわかる?」
「まったくわからん」
首位独走し続けたモモちゃんは、一刀両断。