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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
「41点なんて、どうやったらとれるんだ」
「ええと…。鉛筆コロコロ。あたしいっつも"アタリ"が出にくいんだよね。ユリなんてコロコロだけで、88点取ったんだよ!? そのおかげで留年免れたらしいけど、あたしはそんな優等生の点数なんて出したことないし。だけど先刻のモモちゃん開発グッズの名前あて、考えたらあたし凄いよね。今度からコロコロやめて、消去法でいこうかな」
「消さずに、正解を覚えろよ……」
モモちゃんが頭を抱えて唸った時、2組目……お年寄りカップルがベッドに向かっていた。
あたし達はラストを飾るらしい。
「まああのお爺ちゃんとお婆ちゃんよりは、点数は行く自信あるから。そして何度も何度もこの赤点か赤点じゃないかの危機を乗り越えてきたお姉さんを甘く見るんじゃ……ひぃぃぃっ!!」
「悲鳴を上げるなって。ただカップルらしく、腰を引き寄せただけじゃないか」
またもや妖しい雰囲気であたしを誘い出す。
「俺を楽しませて下さいね、お姉サマ」
ちゅっ。
わざとあたしの耳に響かせた、モモちゃんのリップ音。
触れられていないのに、カッと体が熱くなる。
言葉にならないこの気持ちを伝えようと、モモちゃんに詰りの眼差しを送ったら、モモちゃんはふっと笑い、あたしの手を取った。
「ああ、物足りなかったか」
嫌な予感がして払おうとしたのだが、モモちゃんが離さない。
「前哨戦、ということで」
そう艶然と笑うと、挑発的な流し目を寄越しながら、繋げた手を上に上げて、あたしの手の甲に……モモちゃんが唇を落としたんだ。
盛大なパニック状態のあたし。
口をぱくぱく、手をバタバタするだけのあたしに、満足したようにゆっくりと艶が滲む目を細めて、そしてぬるりとした舌先で、あたしの手の甲を舐め上げた。
それは、酷く淫らなことをされている気分にさせられて。
「ん……っ」
やば。
声、変な声でちゃった。
気づいてないよね?
「味も啼き声も、極上」
ばっちり聞こえてるじゃないか!!
「本番が楽しみだな」
「ひっ」
あたしは、その場に崩れ落ちた。
い、色気……半端ないんですけど!!
誰か、あたしを助けてください!!