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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美

「そのままずっと……意識してくれ」
後ろからあたしを抱きしめながら、そう耳もとで囁く。
モモちゃんなのに。
モモちゃんのくせに。
「俺だって、あんたを愛せる男だ……」
耳朶を甘噛みされ、あたしから変な声が漏れてしまった。
「感じてよ、俺の体。……このまま俺だけ感じてよ、あんたに尽くすから」
モモちゃんがあたしの髪をかきあげ、項に熱い唇をつけながら、ぐいと腰を押しつけてきた。
そして生温かいため息が、あたしの首筋に落ちた。
「わかるだろう、俺の状態」
これは……。
ねぇ、これは……。
「あんたを欲しがっているんだ。俺のすべてが」
モモちゃん、攻めすぎだって。
「俺に、あんたの"女"の顔見せて」
見れない。
モモちゃんのお顔が見れない。
「見せろ」
懇願口調から変わるこの変化球の命令にあたしは弱いらしい。
だけど最後の抵抗とばかりに思いきり目を瞑ったら、なぜか連鎖的に口が開いてしまったようだ。
そして入り込んだのは、ぬるりとした――。
「んん……っ」
くねくねと動くそれの動きが絶妙すぎて、あたしは淫らな声を漏らしてしまう。
ねぇこんな舌の動き、反則。
駄目、立ってられない。
あたし、あたし――。
「……そのままでいてくれよ」
突如耳にしっかり囁かれた、冷静極まりないモモちゃんの声。
そのままでなんていられない。
この激しい舌の絡み合いに、もっていかれそう――。

