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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美

たとえば、また現れて、こうやって手を伸ばして――。
「試作品だったからな、水分取り過ぎると動きが鈍るか。改良しないとな」
長い指を遠慮無く人の唇にぷすりと差し込んで、口の中で動きを潜めていた巨大な芋虫のようなものを取り出したり。
「だけど動きはいいみたいだな。あんたの様子を見ていれば。イクほどではないにしろ。まあいい実験にはなった」
どちらの世界が"現実"なのか告げて、問答無用で自分のいる世界に引き摺りこもうとしようとはしませんかね?
海の世界育ちのピュアピュアをどす黒く染めて、えっちな玩具なんて開発しちゃったりして、それを人で試してデータ取ろうなんて……しませんかね?
そんな乙姫に染められたら、太郎さん。
亀を助けた、正義感溢れる勇敢な太郎さんが……。
「卑猥な性奴隷になっちゃう、太郎さぁぁぁん……」
「おい、頭大丈夫か?」
「シズ太郎は、モモ姫なんて嫌いっ!! うわあああんっ」
「おい……」
「なんでそんな卑猥なクネクネを持っているのよ、パーカーに入れて今まで歩いてたの!?」
「これは、サンプルデータを取って貰おうと、以前ナツに持たせていたものだった。ナツがなんでこれを持ってここに来ていたのかはわからんが……」
多分――、ナツはあたしにまた悪戯しようとしていた気がする。
合宿前から、変な水着を何着も用意していて、(*´艸`)まで描いてあたしに着せようとしていた奴だ。
合宿がうまくいかない鬱憤を紛らわそうと、おかしなものを持ち出した可能性が高い。ナツなら、常に変なものを携帯していそうだ。
――しーちゃん、僕の舌と……どっちが感じる? かわりばんこしてみよう? 今度は僕の舌を堪能して……?
……やりそうだ。ナツだったら公衆の面前で平気で使うだろう。
――ふふふ、しーちゃん可愛い。皆が見てるよ? そんなに喘いだらばれちゃう。僕が支えてあげるね。ほら、ぎゅっとしあおう?
それだけで終わらない気がする。
――しーちゃん、ここ、とろとろ……。
妄想が具体化して身体が熱くなってきて、あたしは慌ててぶんぶんと頭を横に振った。

