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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美

「ナツに持たせていたのが、なんであんたの手にあるのよ!!」
「さっきナツが投げて寄越したのがこれだ。ナツはこれで"騙せ"と投げて寄越した。そして絶対、あんたがずっと前のジジババカップルの反響を見て聞いていたら、あんたは尻込みして本番時には大根にすら徹しられなくなると思った。あんたの世界から音や景色を消すための応急対策だ。事前にあんたに教えていたら、絶対あんたはボロを出す。あんたは馬鹿なんだから」
……なにも言えないのが悔しい。
9割賛同という後聞きですら、敵わないと逃亡姿勢になっていたあたしが、もしその事実を事前に知っていて、敵前逃亡以外に出来ることがあるとすれば。
「それを超えるように頑張ろうね」という言葉すら噛み噛みに、チキンハートをばっくんばっくんしてガタガタと震えて、引き攣った不気味な顔で笑うことだけだ。
そんな事態よりは、ナチュラルでいられた分、確かにいいのではあるが。
モモちゃんにいいように振り回されたことが納得いかないあたしとしては、ついつい憤然とむくれてしまうのだ。
「エロエロジジババに、キスもどきで対抗できるわけないでしょう。あんたIQ高いんだからそれくらいわかるでしょう、モモ姫!!」
「卑猥さが続けばもうお腹一杯になる。これはエロコンテストじゃない。だったら、あんたの純真さを見せればいいと思って……というか、姫はよせ」
「純真さなら、モモ姫がお得意でしょう!? なんであたしが!!」
「俺は……っ、もう十分醜態さらしただろう!? まああれで、かなりの反応が返ったからこその苦しまぎれの手段だったが。……ほら、見てみろよ。圧倒的に上向き矢印が多い。なあ、それより姫はよせ。俺は男だ」
「じゃあ訂正。モモ!!」
「……っ」
姫を抜いてやけくそに言い放てば、途端にモモちゃんが口に手の甲をあてて後ずさる。

