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目が覚めたら。
第4章 鬼畜帝王は×××でした。
◇◇◇
連れられたのは診察室。
かつてハル兄が、"聖域"だとした部屋に入った途端、ハル兄は肩に担ぐあたしを診察台に寝かすのではなく、入り口横の壁に押しつけて立たせた。
ナツ同様部屋に入る早々、12年後の日本で流行しているらしい"壁ドン"をするのは、腐ってもさすが血の繋がった兄弟。
現実逃避のようにくすりと笑ってしまうと、目の前のハル兄がぎらぎらとした眼差しであたしを睨んでいた。
「シズのくせにエロすぎる顔で笑う余裕はあるわけか。気に入らないな。……こっちの気も知らねぇで」
ハル兄はあたしの股を割るように片足をねじ込ませながら、あたしの頭の両側の壁に、屈曲した両手をつけた。
そして突如顔を傾け、あたしの首筋に噛みつく。
ぺろりではない、歯を立ててがぶりだ。
「ぎゃっ」
容赦ないその先制攻撃におかしな悲鳴を出しつつも、痛みと共に襲う快感にぶるりと身を震わせた時、ハル兄がねっとりとした肉厚の舌で首筋を上下し始めた。
「あああんっ」
やばすぎるハル兄の舌。
肌を、細胞を弄られ、ねぶられる。
身を捩れば、がぶりとまた噛みつかれる。
このアメと鞭攻撃は、昂奮している熱い体には、たまらなさすぎる。
思わずハル兄の白衣をぎゅっと手で掴みながら、あたしの片足は自然と持ち上がり、もどかしげにハル兄の下半身に絡みつく。
たまらない。
ハル兄、たまらないよ……。
ああ、そこばかりじゃなくて。
ねぇ、最初は――。
「ハル兄、ハルにぃ……ちゅぅしたい……」
攻められているのは首だけなのに、まるで全身愛撫されているような錯覚にもうあたしは涙目で、あたしをなぶるハル兄の舌を求めてキスをせがむ。
「口で……ちゅうしよ……?」
キスをしたい。
キスをされたい。
互いが動物に戻るような、獰猛な激しいキスを。
ハル兄としたい。
ハル兄の舌に溺れたい。