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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
 


 あたしの呼吸までも奪い尽くす激しいキスだというのに、口の中のナツの舌の動きは、蕩けるような甘美な感触をもたらす。

 舌の快感のツボを根こそぎ舐められて刺激されているような、身体が震え上がる程のざわざわとした快感が強烈で。

 なによりナツの漏らす声があまりにも悩ましい。


「ん……ぁっ、しーちゃ……気もち、……いい」


 恐らくは夢だと思うから、ナツの興奮度も高いのだろう。

 いつもはあたしの様子を伺いながら、挑発的にあたしを焦らしてくるのに、今のナツは積極的に快感を訴える。朦朧としているのか怠そうにしている様子が、官能の波に浚われる生娘のような初々しさ見せ、それが途方もない色気を醸し出している。

 ああ、本当にどうしよう、このエロい生き物。

 主導権はナツにあるのに、あたしがナツの上にいて襲いかかっているような体勢も、扇情効果があった。

 まるであたしがナツのモノを上のお口に挿れている時のように、ナツの感じる顔にあたしまでもがたまらない気分になってくる。

 いやらしいこと大好きな……眠れる淫魔さんが、発情して悶える可愛いナツを食べたいと、むずむずしてきちゃうじゃないか。


 ダメダメダメ!!

 ナツの体力は格段に失われている。

 繋がらなくても、今では1回の射精だけでも命取りになりそうだ。

 まだまだ若い現役モデルの19歳が、淫魔の下のお口に挿入したいと苛酷な訓練に耐えかね、精が尽きて衰弱死なんて縁起でもない!!

 そう思い口を離そうとしたのだが、ナツががっしりと頭を抑えている上に、また一段とナツのキスが気持ちよく、あたしまで意識やら身体のあちこちをとろとろにさせてしまい、完全な拒絶ができない。

 下半身だけの訓練のはずなのに、なんで舌技まで上達しちゃうの、この子!! どんな訓練をしていたの!!
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