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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
やがて――。
唾液に噎せ返りそうになったあたしに気づいて、唇を離したナツは、咳き込みそうなのをなんとか抑えているあたしを、斜め上から覗き込んでいた。
クマができているのがわからなくなるほど、目の縁を上気したピンク色にうっすらと染め上げて、それがまた吸い寄せられそうな色気を倍増させる。
笑っているのか誘っているのかわからない表情であたしを見ながら、バスローブを脱ぐナツは、あたしをどうこうしようとする気マンマンで。
「ナツ、ほーら風邪引いちゃう。服を着ておやすみしようね~」
脱ぐな!!
慌てたあたしが空笑いを向けてナツの服を着せると、ナツは触られるのが気持ちよさそうに可愛い笑顔を向けてなされるがままになるのだが、あたしが静かに遠ざかろうとすると、あたしの腕を掴んでまたバスローブを脱ぐ。
……その繰り返しだ。
「み、見せたいの?」
ナツはにこりと笑った。
ああ、とうとう露出狂の変態さんになっちゃったんだ…。
しかも天使のスマイルで。
それでも露出して自慢したい(?)のはわかる。やはりいつ見てもナツの身体は美しいんだ。
均整の取れた白皙の身体は、美術でモデルとするような石膏の彫刻のようだ。見ているだけで触ったり頬ずりしたくなる、そんな美しい身体。
それをあたしに見せつけて、唾液で濡れたその唇を舌で舐める。
すべてが確信犯のように思えるが、いつものナツの生彩さはない。どこまで自意識があるのかどうか疑問だが、とにかくナツはあたしと愛し合いたくて仕方が無いらしい。
だが熱と疲れとでとろとろとしたその目は今にも夢の世界に向かっているように、微睡んでいるようにも見え、これならすぐにでも体力使い果たして眠ってしまいそうに思ったあたしは、下手に抵抗しないでナツが望むままにして眠らせて上げようと思った。
きっとあと数分でナツは眠り出すだろう。