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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
 

 あたしの名前が表示されていないのか?

 腹立たしいと思った瞬間に、目の前に白い閃光がチカチカし始めて。



「……誰に電話かけてたの?」


 ナツが翳った顔であたしの耳もとで囁いていた。

 あたしの蜜壷に出入りしているのは、いつの間にかナツの舌から指に変わっていた。


「わずかな登録の中の誰? ねぇ、しーちゃん?」


 苛立ちのような炎をちらちらと見せるナツの瞳は、残虐性を秘めているようにも思えて怖いのに、それすらぞくぞくとした快感へと変わってしまう。

 ナツが見せる色々な表情に魅了されて。

 ナツを独り占めしたいと、欲がわいて――。



 駄目だ。

 ここで果てたら、その間にきっとナツは――。




「お○っこ!!」



 ……人間、切羽詰まったらとんでもないことを言い出す。

 勿論、アラサーのあたしから出た言葉だ。



「いいよ、僕がお口で飲んであげる」


 上には上がいるようだ。おかしなことを言い出したあたしに驚くよりも、微笑んで順応するだけではなく、変態行為に持ち込むナツ、恐るべし。

 嬉しそうに口を開けたナツは艶めきながら変態ゲージを上げていく。これは本気であたしの尿を飲み干す気だ。
 
 違う、あたしがしたいのは変態プレイじゃない。

 だが言い出したのはあたしだ。


「はい、どうぞ?」


 指を抜いたナツ。果てずにすんだことにほっとするのと、果てたいあたしが残念な気分になるのとが半々、ナツは再びあたしの秘部の前方に口をあて、


「僕がお手伝いしましょうね……」


 尿道の入り口を舌先で突き始めた。


「ぁああんっ」

 びりびりとした刺激に、本当に尿意を催してくる。


「しーちゃんは、お○っこする時はそんなにえっちな声を出すんですか?」

「違っ、ナツの舌が……ひゃあああああっ」

「ふふふ、しーちゃんはおマメさんが弱いね……」 


 どうしよう、あたしが呼吸出来る場所が縮まっていく。

 また果ての境地が見え始める。そして本当にお○っこしたい。


 絶頂しながらお漏らしなんて絶対嫌だ。
 
 ダブルでの辛抱を強いられ、あたしはぶるぶる震えながら叫んだ。


「駄目!! う○ち出る!!」


 ……困っているんだ、あたしは。

 身体は追いつめられ、なによりナツを諦めさせたいんだ。

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