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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
 


 コンコンコン。


 ノックの音の後にナツの声がする。



「窓がないから、臭い籠もっちゃうと思ったから換気扇つけたよ。音するけど気にしないでね……」


 ああ、なんてイイ子なんだ。

 イイ子なのに、


「思いきりう○ちしてね……」


 なんでこのネタなんだ……。

 なにかあたしは選択間違えたんじゃなかろうか。


 隔離された小さな空間。いくら閃きが多発する場所とはいえ、ハル兄にアホタレと言われ続けているあたしが考えても、出る答えがちっともないことを数秒後に思い知り、便器の中に入って水と共に下水道に流れたい気分になった。


 コンコンコン。


「しーちゃん、頑張ると切れちゃうから気をつけてね……」

「わ、わかった。ちょっとかかるから…・・」

「うん、待っているからね、僕」


 半覚醒状態でも健気で優しいナッちゃんは、多分ドアの前で体育座りでもしているのだろう。

 窓がない個室は、ナツのいるドアを通るしか逃げ道はない。



「ふふふ……。僕がえっちな声出すほどの絶頂…。うふふ、館での屈辱、リベンジ。今度はしーちゃんのナカで僕は男になる……」


 ナツが吊り下げられたという館は、一体なにをナツにしてたのか?

 ああ、それよりナツ……、さらにやる気満々で元気になってきちゃったよ。このドアを開けたら、絶対結合になってしまいそう。


 せめてナツが元気なら……。


 ナツトツナガリタイ?


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