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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
「ドライ? ドライってなんのドライ? クリーニングのドライ? ビールのドライ? 挑戦という意味ののドライ?」
『どれも不正解の上、挑戦はトライだ。俺が言っているのは、ドライオーガズムだ』
「ドラ……それはなんの召喚呪文?」
『俺様だ』
「っ!!!??」
『冗談だ。いくらアホタレでも信じまいが』
……信じたなんて言えない。
それくらいあたしは切羽詰まっているんだし、ハル兄が言うと冗談にも思えない軽口は叩かないで欲しい。……なんて本人には言えないから、思いきり心の中だけの文句にしておく。
「……で、そのドラちゃんはなんなの?」
『ドライオーガズム。射精しないで絶頂を迎えること。ナツのブツに触れずに、ナツは射精しないのにした時と同等……それ以上の絶頂感を味わう。カライキと呼ばれるものだ。お前が俺様のモノで何度も子宮口突かれて味わう絶頂感は、指や舌で弄るよりすげぇだろ? でっけぇ声だして身体仰け反らせて、びくびく痙攣して意識失う、あれの男版だ」
……さらりと何を言い出すこの男。
卑猥なことを伝えるこのスマホ、トイレに流そうかと本気で考える。
コンコンコン。
「しーちゃん、ちゃんと出た~? 結構お時間かかっているけど、切れてない~? ちり紙足りる? お水持っていこうか?」
「お尻も紙も切れてないよ、心配ありがとう!! 今頑張っている途中だからもうちょっと待っててね。なにかあったら呼ぶから」
「わかった。遠慮無く言ってね」
ああ、この子はなんて可愛いんだろう。
……偽りのう○ちネタで、ここまで親身に心配してくれるなんて。
今までエロエロモード全開だったのに、今は変態さ無縁の清純さを強く感じるのは、一体なんのマジックか。