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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
 

『お前、うちのナツをパシリに使ってるのか』

「今のナツは、可愛いお嫁さん」

『お前そういうプレイが好きなのか』

「好きというわけではないけど、ご奉仕するお嫁さんいいよね。なんか緊張ばかりしていた今の心境、このほっこり感に絆されそう。ナツは、無意識だろうけど、痛いところを突いてくるわ…」

 エロエロからちょっと引いて、あたしに健気に尽くす……、今のナツはそんな攻めなんだろう。……中身はエロエロに変わりないのだろうけれど。

 今までは突き放してきたけど、こういう優しいお嫁さん相手なら、自分から構いたくなってしまう。無意識の知能犯め。


『……あなたぁ…お背中お流ししますかぁ?』


 それはスマホの中から聞こえた。


「はい!? どうしたの、ハル兄…狂った!? それともその女声、誰かいるの? ハル兄、実は嫁が居たの? それとも愛人!?」

 スマホの向こうから舌打ちが聞こえて来た。

『んなわけねぇだろ!! お前が子宮の奥で味わった俺様の精液、どろりと濃かっただろうが。俺様特濃牛乳は見向きもしねぇくせに、ぶっかけの生味でも満足出来ねぇのか、お前は!! 36歳殺す気か、お前本当に鬼畜淫魔だな!!』


「は、は!?」


 なんであたし怒られてるの?

 俺様特濃牛乳…って、あたしが目覚めた時に、診察室のようなところでハル兄の机の上に、わざとらしく上がっていた怪しすぎる牛乳瓶…のはず。


「あの牛乳、一体なんなの?」

『飲んだら教えてやる』

「じゃあいりません。死ぬまで知らなくて結構です」


 またスマホから舌打ちが聞こえた。
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