この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
「入れるまでが既に簡単じゃないよ!! 大体指入れたら痛いじゃない!!」
『あぁ……、多分ナツは開発済みだ。あの館で。確かメニューにドライが入ってたから』
「なんなのその館……」
『男とはいかなるものかを知る場所だ』
威張られた。
「だけど、だけど……お尻の穴って指を突っ込む処じゃないよ?」
『ああ、クソをひねり出す器官だが?』
「いやああああああ!!」
コンコンコン。
「しーちゃん? 苦しいの?」
ドアの向こうのナツに聞いてみた。
「ナツ……、べ、便秘の具合はどうですか?」
「僕はお野菜大好きなので便秘知らずです。この合宿前に浣腸したし、お腹の中はすっきり綺麗」
『心配ないな。お前がうまく前立腺を触ればいいだけだ』
「しーちゃん浣腸する? 確か残っているはず……」
「いい、大丈夫!! ごめんね、ふと疑問に思ったから」
「しーちゃん、がんば!!」
「……あ、ありがとう……」
『あ……休憩終わりか。じゃ切るぞ』
「待て待て!! それ以外の方法は……」
『ない』
泣きたくなってきた。
この指を、ナツのお尻に……。
第二関節を動かしてみるが、羞恥にすぐに動きが止まってしまう。
「うう……」
清らかなナッちゃんのお尻に、指いれるなんて出来ないよ。
『お前さ……。明日でもナツが回復して、強くなったのなら……、ナツの本懐遂げさせてやれよ』
ハル兄の声。
なんだろう、この哀しげな声は。
『……で、ふたり元気に、さっさと帰って来い』
そして一瞬の間の後、囁くような声が聞こえた。
『今度は俺が、お前を抱き潰す。
……辛抱してる分、離さねぇぞ』
どきん。
心臓が跳ねて、思わずスマホを落としそうになる。
『……ナツに抱かれて戻ってこないのなら、俺はお前を奪いに行く。……肝に銘じておけ』
そしてスマホは、一方的に切れた。