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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
「濡れちゃったね……」
洗面台で手を洗っていたあたしは、あたしの後ろ髪を手に取るナツの言葉にピンと閃いた。
「お風呂、お風呂に入ろうナツ!!」
「……なんで中指立ててるの?」
「しーちゃんと一緒にお風呂入ろう?」
「うん!!」
無意識に息込んでいたこのポーズに深く突っ込まれる前に、あたしはナツのお尻に入れねばならない。この中指を。
「しーちゃんとお風呂♡ 念願の"洗いっこ"!!」
石鹸で少しでも痛くないようにと、密やかに思う。
「どうしよう、僕興奮して、ここで……」
「まずお風呂!!」
「しーちゃんが、ようやく僕と繋がろうとしてくれた…」
この純粋の笑顔が、心に黒いものを持つあたしには目映くて溶けてしまいそうになるけれど。
「しーちゃん、好きだよ。早く……つながろ?」
この極上すぎるこの笑みに、KO寸前だけれど。
「そ、そうだね…。あたしの中指さんがそう言ってるよ…」
「なんで中指かわからないけれど……」
ナツは立てたあたしの中指を口に含んだ。
「ん……おいひ……」
そして頭を上下に動かしながら、舌と唇で愛撫するその仕草に、意味深なものを含めながら、欲情した艶やかな男の表情をあたしに見せてくる。
「気持ちよく、なろうね」
ナツが舐めているその指が、ナツのお尻に入るのだとは言い出せるはずもなく、複雑な心境になりながらも、ナツの色香に身体が火照りだした。
「奥にずんずん、してあげるからね?」
「……っ」
シズル、ナツのために身体を張ります!!
ナツに挿れられる前に、この中指挿れます!!
「お風呂で、愛し合おう?」
カーン。
どこかで戦い開始を告げるゴングが鳴った。