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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
「あ…んっ、ぅ……う、んっ、はぁ……んんっ」
……ただ洗っているだけなのだ。
ただナツの身体に泡を擦りつけているだけなのに、さっさとそれは終えることが出来るはずなのに、なんでこんな淫らな声を響かせて、あたしはナツに真っ正面から抱きつくようにして座りながら、身体を上下に動かしているのだろう。
「ふふ、可愛い……」
ナツが笑ってあたしを見ているのが分かるけれど、身体が止まらないんだ。
直接肌と肌を擦り合わせているわけではないのに、…肌を羽毛で撫でられているような快感から抜けられない。
滑らかなのに粘りある、この弾力性満点の泡が与える感触がやみつきになる。
そういえば昔、身体に皮脂がついていないとよく泡立つということを聞いたことがあったけれど、今まで温泉効果のあるプールで散々泳いでいたのだから、美肌効果が出ているのかもしれない。
……今出なくてもいいから。
そんなツッコミも、肌が伝える快感に上書きされてしまう。
ナツに強制されているわけでもないのに、あたしの身体はナツの滑らかな肌を求めて自然に動いてしまうんだ。一度知った滑らかな感触は、あたしの身体から消えて行かない。
真っ正面から抱き合うようにして座りながら、こうしてあたしの身体全体でナツの身体を触るのは初めてかもしれない。
細身なのにしっかりと筋肉がついた身体は、どの角度からも立体的な男の身体をあたしに知らしめて、無駄肉が全く付いていない…理想的なモデル体型だということをあたしに、触感を通して改めて認識させる。