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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
 
 ナツの身体が気持ちがいい。

 泡の温度がナツの温度になって溶けてくると、ナツは再びあたし達の身体の間に、ポンプから手に出したボディーシャンプーを垂らした。

 ひんやりとした冷たさが刺激となり、身を捩らせるとナツがあたしの背中に手を回してきて、顔を近づけてきた。


「どうしたの、しーちゃん。えっちな顔して。なんだか物欲しそうだね?」


 わかっていながらわざと尋ねるナツがいやらしい。

 そんなナツの方が、すごくえっちな顔をしているじゃないか。ぞくぞくしてしまうくらい妖艶で、半開きの唇を舌で舐めながら、あたしを挑発しているじゃないか。


「しーちゃんの背中、洗ってあげないとね」


 今までナツの背に手を置いて身体を上下に揺らしていたために、ナツの胸も背も泡だらけだ。そのナツの手が、あたしの背中に移動して、ナツ優位に身体を動かし始めた。

 するすると滑るその中で、ふたりの間に挟まっている乳房が形を変える。潰されるように捩れるように、しかし痛みを感じさせない圧迫感が、もどかしい感覚に輪郭をつけていく。


「しーちゃん、凄く乳首勃っちゃって、僕の身体に突き刺さるようだよ? なんでこんなになっちゃったの? ……教えて?」


 ナツの甘い声と共に、ぬるりとした舌があたしの耳の穴の中に入り、思わず身を捩らせたあたしを、逃がさないと言うようにぎゅっと抱きしめて、熱い吐息と共に耳の壁を舌先で擦る。


「ぁ……んっ、ぁあんっ」

「耳の穴を洗っているだけなのになんでそんな声出すの?」


 耳を愛撫されながら、なおも艶めいた声で囁きかけられる。


「感じちゃってるの?」
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