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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
毎日が練習。バナナ尽くし。バナナみたいに甘いことを願っていても、実際は……。息をとめて口で呼吸しないと、あの生臭さは夢に見そうで。
だけど、ナツのは甘くて、本当にお菓子を食べているよう。それはあたしが付き合った誰よりも、ナツの方が愛情を感じているためなのかもしれない。こんなに可愛くあたしを慕ってくれる子の部分だから、あたしの身体は受容して拓いているのかも知れない。
メイプル味のハル兄だってそうだ。
だったら、モモちゃんだってきっと桃缶のシロップ味で。
あたしが相手に好意を抱けば甘くなる説を証明するには、違うひとのモノを舐めてみなければならないけれど……。
他人のなんて触りたくもない。
淫魔なりのこだわりがある。淫魔はビッチかもしれないが、ビッチの淫魔にはなりたくない。ここに美味しいものがあるのなら、他になんかいらない。
「はっはっ、はっ、ナツ、ナツ!! 一緒にイコう? ね?」
「もうイキたいの?」
「ん……」
「僕のとどっちでイキたい?」
そんなの――。
「答えないしーちゃんに、お仕置き!!」
「いやぁぁぁぁぁ!! ナツ、ナツ……っ、ナツが一緒にイカないのなら、ナツが大好きな立ちバックしてあげない」
ぴたり、と止まった。
「ここには岩みたいところに覆われたプールもあるけど、その中でもさせてあげない」
岩みたいな…というのは、例の…あたしの水着が溶けた場所だ。
モモちゃんとちゅうをしてしまった場所だ。
ナツが立ちバックとやらが好きだと言っていたのは、まだあたしが目覚めたばかりで病室に居た時、ナツがモデルの撮影に行く際に、自分で言っていたものだ。無論、相手は卑猥な兄だったけれど。
この様子を見れば、本当に立ちバックというものがお好きらしい。
プールの中で…ということに否定がないのは、そのつもりだったのか。