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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
ここだと思って指を入れたら、壁に跳ね返された。
開かずの扉に、入ることが出来ない。
「はぁ、はぁ……しーちゃんの……えっち」
ナツが察して腰を引く。
逃がしはしないとあたしも追いかける。するとナツがさらに腰を引く。
「しーちゃん、なに? なに?」
ぐるぐる横向きに回転するあたし達。
「しーちゃん、その中指なに!?」
「ナッちゃん、お注射のお時間です!!」
「え!?」
よし、ナツがちょっと怯んだ、今だ!!
あたしはがばりと立ち上がって、膝立ちすると――、
横たわったままのナツの、多分……肛門と思われるその部分に、
「貰った!!」
中指をねじ込んだ。
付け根までねじ込めたということは肛門に違いない。
つまりあたしは勝ったのだ!!
長い戦いを制したのだ。
ブラボ――っ!!
だが。
「………」
「………」
……このしーんと静まり返った浴室の空気をどうすればいいだろう。
あたしの中指は念願のナツのお尻に埋まったけれど、勢い余って指の付け根まで埋め込んでしまった。ハル兄の言う"第二関節を曲げろ"は、埋め込んだままで曲げて良いのか、第二関節まで指を引いて曲げたらいいのか、その前立腺とやらの在処がよくわからない。
なにより忌避すべき禁忌のところが、想像以上にもの凄く熱くて、挿れたこの指をどう動かしていいかわからずに、プチパニックを起こしてそのまま固まってしまったのだ。
ナツも、あたしにこんなところに指を入れられるとは思っていなかったのだろう。驚愕に顔色まで変えて固まってはいるが、なんとか生きてはいるようだ。だが詰まった息をしているのを見れば、このままばたりといってしまいそうだけれど。
「………」
「………」
……これから、どうしよう?
この指、どうしよう?
挿れ直し?
続行?
膝立ちの高さから見下ろすナツは、今にも呼吸がとまりそうだ。