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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
「ごめんね……」
またナツの望む形で果てさせることが出来なかった。
きっと目覚めたら、ほっぺをぷっくり膨らまして怒るだろう。
――僕は、しーちゃんの下のお口で果てたかったの!!
だけど、ナツがこうして幸せそうに果てるのなら、こういう形もアリかなとも思う。
あたしは女でいつも、受け側で。
だけど愛し合うことに、女は受け側でなければならないというルールは決まっていない気がした。
……共に満足するのなら、きっとそれがふたりだけのルール。
ナツの身体にもう一度温かいシャワーを浴びさせて、ついでに濡れてしまったあたしの秘部も洗い落として、ナツをふかふかのタオルで拭いて上げる。棚にたくさんあったから、全部使ってあげた。
白い布団を被っているようで、これならきっと温かい。風邪をひくのは、温度の差だと聞くから、ナツが風邪をひくことはない。
こんな大きいのに、やはりまだなんか子供で、大人と子供の境界を彷徨うナツだけれど、そこが魅力の一因で惹き付けられるのだろう。
親御さんは満足そうだけれど、なにもされずに力を失ってお眠りになろうとしている息子さんを見て、なんだかとても寂しい気がしたけれど、それは今度のご挨拶。
「まずはナツ、元気になって」
元気にナツが回復すれば、もしかしてチャンスがあるかもしれない。
もしかして、の話だけどね。
その時、あたしも元気であれば――。
「――っと、ミイラの死体かと思ったらタオル巻いてるナツか!? しかも、なんでこのひと、笑いながら真っ裸で覆い被さって寝てるんだ?
ナニをしてたのかわからんが、ああ、本当に世話が焼ける…。結局俺が後始末かよ。
ほら、起きる。そんな格好、風邪ひくから。寝るなら服着てベッドで……俺に抱きつくな!! なんで中指を……っ、待て、待て!! まずは裸で迫るのはよせっ!! それになんで尻目がけて中指突き立てる。おい、起きろ、起きろ!!」
……連絡しても一向に繋がらず、心配になって来たみたらしいモモちゃん。夢にまでうなされるほどのドライに取り憑かれたあたしは、夢に操られるゾンビと化して、モモちゃんの尻を狙って追いかけたらしい。
ごめんね、モモちゃん。