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目が覚めたら。
第11章 鬼畜帝王が甘えました
 




「しーちゃん、そんなに白い目で見ないでよ。朝イチのどっきりをしていただけじゃないか」

「違う、絶対演技じゃない! ナツ…モモちゃんのを舐めようとしてた。そうだよね、モモちゃん!! 男のナツに、あたしが大好きな桃缶味になってる甘~い"バナナ"を、舐められようとしてたよね!?」

「黙ってくれ! さっきから大きい声で言うなって……恥ずかしい」


 混み合っている、ホテルの朝食バイキング。

 もう慣れたけれど、美形ふたりを従えるあたしに、奇異と嫉妬の目線が凄まじい。どんな関係かと聞かれれば、りあるびーえるふたりに、優しく綺麗なお姉さまひとりと素直に言うしかない。

 本来ならば、ナツは合宿用として精がつくように考えられた、特別な朝食メニューがあり、あたしとモモちゃんは、三人で泊まるはずだったホテルのレストランで朝食を取るはずだったのだが、こんな場面になったのは、ナツのもとに、一本の電話が入ったのが原因だ。

 それまでナツは、あたしが問い詰めるふたりの"りあるびーえる"関係を、必死なモモちゃんと否定しながらも(必死なのはモモちゃんだけで、ナツは含んだ笑いをしてるんだ。怪しい!)、あたしの下のお口に挿れられなかったことを酷く嘆きながら、勝手にモモちゃんを見届け人にして、元気になったから合宿効果を試そうとあたしの下のお口に本気で挿れようとした。あたしがモモちゃんと一緒に、朝から盛る発情王子を布団でぐるぐる巻にしていた…その時に変な音がしたのだ。


 ふぃぃふぉぉ、ぴぽぽぽ…みたいな奇怪な機械音に反応したのはモモちゃんで、「R2-D2!」などと呪文を唱えて、「どこだ、お前はどこにいる!」などと、長年会っていない恋人の声を聴いたかのように興奮して探しに行き、壁にかけられていたナツの上着から、その音を放つスマホを発見してきた。……ちょっと悄(しょ)げながら。
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