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第11章 鬼畜帝王が甘えました

　

「それだけ？」

「だって最後まで出来ないじゃん。男には穴ないんだから」



「なあ、声を落して……」



「あるよ、後ろに」

「後ろ!?　あたしがナツに中指突き立てた、そこに本気に挿れちゃうの？　"りあるびーえる"も!?　あたし、そんなことし合うの、ホモだけだと思ってた！　うわわ、痛いよ、お尻の穴に指以上の太いものをぶすりだよ？　痔になっちゃうよ!!　って、ナツは大丈夫？　痔になってない？」



「だから声を落して……」



「"りあるびーえる"とホモを別に考えられるしーちゃんの思考が面白いけど、……もぅ、しーちゃん。しーちゃんったら、ドライなんて高尚な技、どこで覚えてきたの？」


　ナツはぷっくりとほっぺを膨らませて、そしてポッと顔を赤らめさせた。


「ああ、もう僕恥ずかしい。痔になるどころか、しーちゃんの指だったから、余計に僕…気持ちよくなっちゃったみたいで。しーちゃんに気持ちよくなって貰いたいのに、僕があんなに激しくイッちゃうなんて。

どうしていいかわからないほど、快感が押し寄せてきて、声あげてイッちゃったの覚えてるんだ。禁欲して禁欲してしーちゃんの上のお口で一気に出す時とはまた違う、快感が凄まじくて。前の時は僕、泣き喚いていたみたいなのに」


「前!?　ナツ、あたし以外に中指をお尻の穴に入れられたことあるの？」

「カリキュラムのひとつだったからね、館の」



「注目されてるから！　俺の声聞こえてるか!?」



　館、恐るべし。

　ハル兄が電話口で言っていたように、体験済みだったんだ。