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目が覚めたら。
第11章 鬼畜帝王が甘えました


 なんで、なんで嬉しいと思えるの!?
 
 危機が迫っているんだよ!?

 通せんぼされて、猛速度で動いているんだよ!?


 あたしがおかしいのか!?

 普通はこういうもんなのか!?

 じゃあここは喜んでいいところなの!?


「あは、あはは……」


 パニックに泣き笑いしていると、ハル兄の声がした。



「シズ、俺がお前を死なせたりするわけねぇだろうが!!」




 その声を合図に、車は――。



「うぎゃあああああああ!!」



 横並びした車の上に飛び上がり、二台分の車の天板の上へ着地…と同時に、ハンドルを大きく切って車の向きを変えて。そこから飛び降りるようにして、一気に……出口の緩やかなスロープの上に悠然と躍り出たのだった。


 外に出れば、曇り空。

 どこかでカラスの鳴く声が聞こえてくる。

 都会から外れた、長閑な自然の光景。


 ……あたしは助かったのか?

 助かったんだよね?


 ………。



「ブラボー!! ハル兄、ハル兄、ブラボー!!」


 あたしの喜びと、モモちゃんの拍手に、心底ご満悦の笑みをしている帝王様。そして咥えていたタバコの灰が落ちた。……モモちゃんが両手を丸めるようにして、その灰を受け取る。なんという奴隷精神の徹底ぶりだと、驚愕ものではあるけれど。



 帝王様のタバコが燃え尽きるまでの、そんな僅かな時間。

 我らが帝王は、一度も減速せずに敵の車をまいたのだった。


 帝王のドラテク、恐るべし!!




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