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目が覚めたら。
第11章 鬼畜帝王が甘えました
――NATSUを男として意識して、愛しているんです。
クイズ大会の結果発表時、アダルトナツが言った言葉が蘇る。
ナツを好きで仕方が無くて、"運命"なのだと…そうとしか思えなくなった幻覚を即席で作りだしたのは、アダルトナツの断定。
ナツと個人的な付き合いはない……ナツと同じ顔を持つ男が、自らがデザインを手がける服のイメージモデルであるナツをあたしに押しつけるように、ナツの存在を強調したんだ。
三度繰り返されただけで、あたしは催眠術にかかったような心地になった。それを解いたのは、怒れるハル兄の館内放送だ。
カジノで淫魔が騒ぐ時も、キスひとつで押さえつけた。
ハル兄もモモちゃんも警戒しろというけれど、あたしにはなぜか警戒心が芽生えない…ナツそっくりで、淫魔事情に詳しい男。
同種だから警戒を持たない……という理屈はわかるけれど、果たしてそれだけがハル兄の言うような、イコール淫魔と言える根拠になるものか?
「ねぇ、ハル兄。一体になんで淫魔だと……あぅぅっ」
学習能力のないあたしは、またもやシートベルトに戻された。
「お前、なにさっきから喘いでるんだ? 俺の車でもオナってるのか?」
モモちゃんの前で、隠蔽したい事実を…俺の車"でも"などと、明らかになにかありました感を含んでのたまう帝王様。
モモちゃんには"綺麗なお姉さん"で通したいあたしは、焦って言った。
「そんなこちょ、ちゅるはずないじゃない!」
ああ……、動揺ばればれだ。
そこに細かく追い打ち。しかも嬉しそうに。
「お前はオナる前例があるからな。なにせ俺の家の風呂場で、俺の名前呼んで「わーわーわー!! モモちゃん、違うの違うからね~」」
時既に遅し。バトラーモモ、瞬間沸騰。
ああ、想像しちゃったんだな。お顔が真っ赤だ。
そんな涙で潤んだ目で、責めるようにあたしを睨まないでよ。卑猥なのは、あっちの方だから。あっち!