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目が覚めたら。
第11章 鬼畜帝王が甘えました

  
 そしてふと、思いついた。


「モモちゃん、委員長に話聞いてみるのもいいかも」

「なんだその委員長って」


 モモちゃんが怪訝な顔をした。

「タカシくんに騙されている彼女。かなりの癇癪持ちでキーキーするから、妻帯者でしかも子供が生まれそうなのはまだ隠してね。モモちゃんと同い年で、一見地味な格好してるんだけど、大学デビューしたらすごい美人さんだったの。コンビニ店員で、あたしを拉致しようとするやつらから、おばさまが来るまで一緒に戦ってくれたとってもイイ子なの」

 あの一件で、あたしは委員長に好感を持った。

 委員長がいなければ、あたしは早々に拉致られていたかもしれない。


「そのコンビニは……」

「俺がタバコを買いに行くコンビニだな」

「あ、あそこですか」


 それだけでわかっちゃうモモちゃん、凄い。


「地味な格好でキーキー…あいつかな。よし、サクラ。後でメールで画像送っておくから、それをその女に見せろ。きっと友好的になるから」

「え!? あたしも見たい!」

「お前は駄目だ。サクラ、頼むぞ」

「わかりました。任せて下さい」

「えええええ!? 見せてよ~」

「サクラが成功したらな」


 ハル兄は、バックミラー越し、にやりと笑った。



 やがて大学が見え始める。

 お泊まりの荷物が入ったボストンバックを片手に、モモちゃんが下りた。

 そのドアを開けたモモちゃんの腕をひっぱり、コンビニの話題から思い出した謎をモモちゃんに聞いてみた。

 モモちゃんならきっと知っている。

「ねぇモモちゃん…。コンビニに売っている"萌えまん"って、どんなものなの?」

 すると見る見る間にモモちゃんの顔が赤くなった。


「あんたは…!! 別れる直前まで、なんて卑猥なことを!! 俺への嫌がらせか!!」

「卑猥!? 萌えまんが!?」

「大声出すなよ、皆が見てるだろう!? 女なら、頼むから……そんな卑猥なことを大声で言わないでくれ!!」

「だ、だからあたし、萌えまんの正体がわからな……」

「大声で言うな!!」

 
 真っ赤な顔のまま、モモちゃんはあたしの手を引いて外に出すと、そのまま助手席のドアを開けてあたしを押し込んだ。


 萌えまん、一体なんなのよ!!

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