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目が覚めたら。
第4章 鬼畜帝王は×××でした。
あたしの胎内は蠢き、悦んでいる。
"きゃああああ、嬉しいっっっ!! もっと奥、もっと奥っ!"
まさに、狂喜乱舞――。
「この体勢が一番、奥にいく。お前は……奥がいいんだろ? あと少し……全部挿れるぞ? ――……くっ!」
ずん。
ハル兄が片手であたしの腰を引き寄せ、ハル兄のモノがあたしの胎内に納まった。
「あ……俺がお前のナカにいるの、わかるか……シズ……」
凄い質量。
異物を迎え入れた胎内の圧迫感に、あたしは絶え絶えの息で頷いた。
互いの呼吸で、触れあった互いの恥部が擦れる。
ハル兄の熱さと、密着感が気持ちよすぎてたまらない。
ああ、あたし……ハル兄と、繋がってるんだ。
それは禁断のように倒錯的で、ぞくぞく興奮させる。
もっと触れあいたい。もっと擦りあいたい。
もっともっと!!
「あぁ……熱いハル兄が、ナカにいる。奥で……びくびくしてる。ハル兄、もっと奥に強く来て? もっと強く繋がろう? ハル兄とこうしてるのすごく好き。嬉しいよぅっ!」
あたし"達"は口を揃える。
苦しい腹部の圧迫すら、歓喜の一因となる。
リアルに、ハル兄を感じられるのだから。
「……こんな時に、可愛いこと言うなよ、お前」
ハル兄は少し苦しげな息を繰り返した後、乱れた前髪から甘やかに揺れる情欲の瞳を寄越して、薄く笑った。
「ここからは、俺にとっては命がけになる。痛くても我慢してくれ。俺を囓っても爪を立ててもいいから。……必ずお前をイカせてやる。だから俺を信じろ?」
この腹部の膨満感に苦しいあたし同様、ハル兄も苦しいのだろうか。
時折眉間に縦皺が刻まれ、荒い息が続く。
"命がけ"
その言葉が頭に蘇り、白く靄がかっていた思考回路が少し動いた。
あのベルト外し騒動で、幾らか頭が冷えたのかもしれない。
置かれた特殊な環境が、認識出来たのだ。
消えた元カレ。変態オットセイ。
今まであたしはなにをしてきた?
そしてようやく芽生える、遅すぎた"葉山静流"としての心。
「……っ!」
このままだと、ハル兄は消えてしまう。
あたしは、ハル兄を消すわけにはいかない。
ようやく、ねだってばかりいた強欲なあたしは、厳しい現実を思い返せたのだった。