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目が覚めたら。
第11章 鬼畜帝王が甘えました
 

「あん、はあ…んっ、波瑠、波瑠、ちゅう……」


 せがんで得られた唇の感触に、また快感の波が強まった。

 ぎらつくその目が柔らかな笑みの形を作り、ねっとりとした舌を絡ませながら、呼吸の合間にハル兄は言う。


「こうやって……んん……舌絡ませば、お前のナカきゅっとなって、俺のを咥えて離さねぇ……。……俺だけにしろよ、こういうこと……」


 ナツとしろと何度も言った同じ唇が漏らす言葉は、独占欲が滲み出ているようで、あたしの心と体が悦ぶ。


 同時に締め付ければ、ハル兄の眉間に皺が寄る。その余裕のなさそうな表情が愛おしくて、あたしの構成するすべてが甘く疼いてきゅんきゅんが止まらない。


 性的魅力に溢れるハル兄は麻薬だ。

 手を出せば堕落しそうだとわかっていても、溺れてしまう。


「あっ、あっ、波瑠、波瑠……っ」

「ああ、もっと呼べ。もっと俺を感じろ。今まで忘れていただろう分も、これからも忘れないようにするために、深く刻め、俺の形を!」


 荒い息が重なり、どちらともなく唇も重ね合わす。


「ああ、すっげーぞ、お前。いそぎんちゃく出て来なくても、十分名器。……なんだよお前、は……ぁっ、俺、もう余裕ねぇ」



 いやらしい粘液が混ざる音。

 灼熱の肉棒で、胎内を激しくかき混ぜられる。


――いそぎんちゃく出て来なくても、


 ああ、淫魔が出ないってこんなに気持ちいいのか。

 余裕なく突くくせに、あたしに合わせてくれるハル兄と、こうして長く胎内でひとつになって溶け合って。

 
 お互いに感じている顔をして、感じている声を出して。

 相手が欲しいとわかりやすくキスをして。


 ゆっくり、心が追いついてくるまでにゆっくり。


 ハル兄が過去抱いた女と同じ位置に、あたしは立てたの――?

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