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目が覚めたら。
第11章 鬼畜帝王が甘えました

 
 ばしゃばしゃばしゃ!!


「遊べて綺麗になれるって最高!!」


 ばしゃばしゃばしゃ!!


「きゃははははは!!」



 ばしゃばしゃばしゃ!!


「………はぁ」


 ひとりできゃっきゃするのは寂しいし虚しい。ここは一番楽しみにしていた、あの広い岩風呂にゆっくり入ろうと、曇ったドアガラスを開けた。


 さあ、猿はいるか?


「お猿さん、こんにち……わっ!!」
 
「……堂々マッパとはヤル気満々だな」


 露天風呂には、頭にタオルを乗せた大きな猿……ではなく、ハル兄がゆったりとくつろいでいる。


――マッパとはヤル気満々だな。


 そこであたしは、いつぞやの羞恥の風呂場での一件と同じく、またもや乙女の全裸を、にやにやしているハル兄に、股間までじっくりと見上げられていることに気づき、慌てて露天風呂に入った。

 どうしてこの男、いつも卑猥な位置にいるのだろう!


「そんなに照れるな。お前とは舐め合った仲じゃねぇか」

「なっ!」


 落ち着けシズル! ここでいちいち反応すると、ハル兄が暴走するんだ。無視だ、無視。

「お前、今まであの海に潮吹いてノーパンで、部屋に入った早々俺にぶち抜かれて……」 

「わあわあわあ! なんで先にここにいるの!?」


 やはり帝王様を無視することは出来ないらしい。愚民、速攻強い意志を挫かれる。あと残された選択肢は、話題をそらすこと。


「ああ、脱衣所から内風呂ではなく露天風呂へ直通のドアあったからな」


 その方法はうまく行ったようだが、そんなドアの存在など、洗い場に見える内風呂に走って見に行った、あたしの記憶にはない。
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