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目が覚めたら。
第11章 鬼畜帝王が甘えました
今回のターンってなんだろうと思った時、ハル兄はちょっとだけ身体を離すと、目の前でなんとあたしにあかんべをしたんだ。
「ん!」
だけどそれがあたしを馬鹿にしたものではないということがわかったのは、ハル兄の挑発的な瞳を見たからだ。
どくり……。
なぜか淫魔が出てこないのはなぜなのか。
ではこの心臓の音は、淫魔の声ではなくてあたしの心だというのか。
挑むようなこの瞳から逃れられない。
焦らされているのはあたしの方だ。
怒って笑って、甘えっ子になって。
いろんな表情を見せて支配しようとするオスの顔になる。
ねぇ、あたしをどうしたいの?
あたしの口から、おずおずと伸びた舌先が……、ハル兄の舌をつんつんと突く。だがそれで終わりにする帝王ではない。
おそらくは、あたしからディープをしてこいというのだろう。
焦らされているとか散々言っていたくせに、帝王様は、その気にさせろとのお達しだ。
「その気がないなら、しなくても……」
思わず舌をひっこめてそう言ったら、ハル兄が泣きそうなくらいにさらに目をうるうるさせ、今度は慌てたように自らが動いて口の外で舌を絡ませてきた。
肉厚の舌の動きは卑猥すぎて、そんなものがいつも口の中でなされているのかと思っただけで、沸点に達しそうになる。
羞恥もそうだが、気持ちいいのだ。
ハル兄の動きが止まりいぶかれば、やはり今度はあたしからやれと、その目が語っている。なんだかどこぞのホテルのテラスで、そんなことがあったかのような既視感を覚える。
だけど十分にEDは回復したよなあなど思っていたら、早くやれと頭突きされた。
仕方がない。シズル、行きます!
舌をすぼめてハル兄の舌先に触れて絡め合わせると、鼻にかかったような熱い吐息をを零したハル兄の舌も動いた。
舌をくねくねと絡ませあいながら、角度を変えて戯れる舌先は、やがてハル兄の口の中に移動して、くちゅくちゅといやらしい音をたてた。
ああ、攻めているのに攻められている。
気持ちよくてたまらない。くせになりそうだ。