この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
目が覚めたら。
第12章 鬼畜帝王が考えました
濡れた黒い瞳が、そんなあたしを見下ろしている。
気持ちいいけれどどこか消化不良のあたしの顔を見て、なにを思っているのだろう。
ハル兄には、あたしの恥ずかしいところばかり見られている。だから逆にそれ以上の恥ずかしい姿をさらすことはないと安心はするけれど、それでも不安になる。心を見透かされているようで。
「見ないで、気持ちよさが止まらなくて、もっとして欲しいとか考えちゃう淫乱だから」
「………」
「淫乱だけど、嫌わないでぇぇぇ」
不安は、ハル兄に嫌われることだと気づいたあたしは、もどかしい刺激に理性を狂わせられながら、叫ぶ。
「あたしを、ハル兄の過去の女みたいに、捨てないでぇぇぇ」
なにを口走っているのかわからない。
一度叫んだものは、次々に言葉が続く。
ハル兄の目が見開かれた。
「図星、図星なの!?」
ハル兄の唇が耳元に近づく。
「なに可愛いこと言ってんだよ、お前」
途端にあたしの身体が身震いする。
「俺に感じるお前、やべぇほど可愛いんだぞ?」
「や、ぁあんっ」
ハル兄の舌が耳の穴に潜り込む。
「なに俺を喜ばすことばかりしてんの? 俺をどうさせたいんだよ、シズ」
「んんん……」
「お前、俺のために淫乱になってくれるの? すげぇ嬉しいんだけど。もっとイキ顔見せろよ、なあもっと女の顔で啼けよ。俺が欲しいんだろ?」
ふれあう下半身同士が気持ちいい。だけどゼロにはなれないもどかしさがある。ゼロになりたい。もっと密着したい。
「俺がお前にこんなに気持ちよくなってるんだから、何度も抱きたくてたまらねぇんだから、お前も気が狂うほど、俺に溺れろよ」
蜜口を掠めながら、花弁を蹂躙していくハル兄の肉棒は、ハル兄の甘々な言葉に増長するように勢いを増して、あたしにびりびりとした刺激を与えてきた。
あたしは思わずハル兄の首筋に抱きつきながら、甘い拷問に爆ぜる。
「あ、あっ、ハル兄、もっともっと、ぐちゃぐちゃにして!」
ハル兄のモノが、あたしの表面を少ししか擦らないのがもどかしくてたまらない。もっともっとあたしの深くまでハル兄を感じさせて欲しいのに、ハル兄に焦らされ動きに緩急つけられれば、たまらなくなってくる。
それがハル兄の策だと気づかずに。