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目が覚めたら。
第12章 鬼畜帝王が考えました
 


「ハル兄、今でもバスケやってるの!?」

「やってねぇよ、仕事一色」

「じゃあなんで入るのよ!!」

「なんでか聞きたいか?」

「うん!!」


 するとハル兄は、威張りながら言った。


「俺様だからだ!」


 ……うん、そうだよね、そういう奴だよね。

 真面目に聞いてしまったあたしが馬鹿みたいだ。


「次はシュートさせない!」


 連続されたあたしは憤り、今度は突っ込んできたハル兄のドリブルを制しようとするが、ドリブルしていないみたいなハル兄の身軽な動きに翻弄される。

 なにハル兄のこの草履での足捌き、そして身体のひねり。

 どう動いても常にハル兄の身体が壁になり、ボールに手が届かないじゃないか!

 なんで右にあったボールが左に瞬間移動してるんだ!!

 どさくさまぎれて唇にキスするな、あたしは余裕がないんだ!!


「はあはあはあ……」


 耐えきれずあたしが肩で息をすると、ダムダムとボールを突きながらハル兄は片手を腰に当て、俺様ポーズで笑う。

「なんだ、オナり始めたのか、シズルちゃん。そんな乱れた格好で、俺を誘ってるのか。仕方ねぇな、青姦……」

「違うわ!!」


 あたしははだけて胸ポロ寸前だった襟を正して、帯もきゅっとお顔もぎゅっと締め直し、勝負は再開された。


「はあはあはあ……」

「やっぱりオナってるんだろ、やらしいシズルちゃん」


 ハル兄は息ひとつ乱れていない。体力の差なのか、運動神経の差なのか。


「だから違うって! ハル兄にいやらしいなんて言われくないわ!」

「へぇ、お前やらしくねぇのか。そんなエロエロなくせして。今度録画しとくか、ハメ撮り」

「いらない、いらない、そんなのしないでぇぇぇぇ!!」

「そこまで必死に言われるとしたくなるな。善は急げだ、今からするか」

「だからしなくていいから、しないでぇぇぇぇぇ!!」

 ハル兄はシュートする気がないのか、ドリブルしながらあたしを口撃して、弄ぶにいいだけ弄ぶ。あたしは精神的にも肉体的にもヨロヨロ、ハル兄は元気に笑ってダムダム。
 
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