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目が覚めたら。
第5章 変態王子が暴走しました。
 


 眩しい陽光が差し込む、清々しい朝だ――。


 すっきり爽快感を味わうあたしの目の前には、あたしの悲鳴に驚いて飛び込んで来たハル兄が、手にしていた長い麻縄にて、奉行所にひったてられた罪人の如く縛りあげた……ナツがいる。


 腕と手首を、背後で綺麗な結び目一直線。

 ものの数秒でなされた、王子様風の見事な拘束芸術品。


 ……頬にはあたしの手形をつけたまま。



 ハル兄。なんで手慣れているの? というか、その縄なんであるの?

 ナツ。そのぽっと顔を赤らめて、あたしをちろちろ見るのはなぜ?


 目覚めたあたしは、綺麗に片付かれた病室にいた。

 朝から破廉恥なことをしてくれたナツのおかげで、忘れそうになっていたが……あたし、ハル兄と……。


――ぐっ、シズ……っ、静流――っ!!


 途端にあたしの秘部を疼かせるようにして脳裏に蘇ったのは、ハル兄の猛々しい声。


 ……そうだあたし、ハル兄とシてしまったんだ。


 ハル兄と。

 あの、ハル兄と。


 しかも自分からせがんでせがんでせがみまくって、ナツ以上のとんでもない破廉恥な姿を見せつけて、泣きながらハル兄に迫ったような気も……。

 もしかしてこの気分すっきり爽快感、……今まで経験したことがないほど、ナカで激しくイカされた挙げ句に、ハル兄の精液を受けたからか?


「なんだ、シズ。お前もされたいのか? それとも教わりたいのか?」


 医療行為とはいえ、生々しくも激しい絡み合いをしてしまったことに、これからどうハル兄と接すれば良いのか戸惑うあたしに、ハル兄がタバコに火を着けながら、にやりと笑う。

 性経験値豊富な彼には、既に一過性のものだと割り切れる事柄だったらしい。ハル兄の態度は、いつもとなにひとつ変わらない。ぶれていない。

 動揺して意識してしまうのは、あたしだけで。



 ……くっ!

 そのタバコを吸うときの眉間に皺寄せる顔……っ、ハル兄の感じている顔とだぶるんだけど!!

 やばい。

 ドキドキ感が増すんだけれど!!



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