この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
可愛いヒモの育て方。
第19章 キズ

 わからない。わからない。……なんにも言えない。
 押し黙ることしかできない私に、さらに麻人の言葉は続く。

「母親の精神がおかしくなって、どんどん悪くなってるのもわかってるけど、どうしたらいいかわかんなくて……っ。頼る人もいないし、病院だって……っ」

 麻人の手が、今度は私の腕を掴む。

「友梨香さんは、自分の母親を精神病院に連れていけますか!? 頭がおかしい、みてもらおうって、面と向かって言えますか!?」

 初めて聞く、麻人の悲痛な言葉。切々と訴えてくるそれに、ただただ首を振って否定するのが精一杯だった。

「俺だってやだったよ! おかしくなってく母さん見るのも、毎日父さんのことで愚痴って泣いてる姿見るのも、代わりに俺に当たってくるのも……っ!」

 麻人の腕にはさらに力がこもり、私の体は壁際へと追いつめられる。背中が軽く壁に当たり、息が詰まった。麻人の力は緩まない。
 私の二の腕を掴む麻人の手が、小刻みにぶるぶると震えていた。
 背中を丸め、麻人は深くうつむいた。

「友梨香さんち逃げたって、帰ればまたおんなじことの繰り返し……」
/530ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ