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蛇神様の花の宴
第3章 穂波と味見
「はい、あーん」

美鎖はまだぼんやりとしていた。
目をとろんとさせたまま、唇に押し付けられたものに反射的に舌を這わせる。

甘い。
微かな塩辛さと苦味。
カカオの匂いと、圧倒的な性と生の匂い。

愛し合った、求め合った証。

「美味しいでしょ?」

頭上で穂波の笑う気配がする。

舌を進めるにつれ、美鎖の思考もチョコレートのように溶けていった。
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