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限界Lovers
第13章 私の知らない彼の顔
それからまた抱き合ってキスをしてやっと俺は家を出る。


俺の集合場所は会社の最寄り駅で、みなみはきーちゃんたちが車で迎えに来てくれるらしい。
だからその点は安心なのだけど…


「………まさか三人で同じ部屋なんてことないよな?」


心配はしてもしてもし尽くせない。




それからもあれこれ悶々しながら駅に着くと俺以外はみんな揃っていて…


「あっ、俺最後ですか?」


「山下待ちだ」


「すみません」


なんせ気が乗らないもので…
というのは心の中にしまっておいて皆の中に入る。


「また彼女とちちくり合ってて遅くなったんだろ」


「俺と彼女は二人で一人だから離れがたいんだよ」


「寒」


同期の二人はどうもこうも俺に冷たい。
そのやり取りを見ていた先輩がクスクス笑って俺に言った。


「山下くんって素直だよね」


「そうですか?」


「うん、それだけ一途だと気持ちいいよ」


「ありがとございます」


「ふふっ、でもみんな言ってるよ。“あれだけ彼女彼女言われると隙もないよね”って」


「は?」


「もったいないなー、ホント」


先輩は相変わらず笑いながら行ってしまった。


「…なあ、今のどういう意味?」


「高校時代みたいな感じなんじゃない?」


「…俺もうサッカーしてないけど」


「じゃあ昔もサッカーが理由じゃなかったんじゃない?」


隣にいた並木さんに訊ねると何とも取れない返答が返ってきた。


「…来るものは拒まずの血が騒ぐ?」


「まさか」





今はみなみ以外に興味なんかないから…





「…みなみもう行ったかな」


「えっ?」


「いや、彼女も今日旅行なんだよ。…もう家出たかなって」


「……バーカ」


「は!?」


「本っ当彼女バカ」


「それは…誉め言葉?」


「さあね 」



そして並木さんも他の女子社員のところへ。
一体何なんだか…並木さんは本当に分からない。



「健気だねぇ…」


それを見ていた高橋がうんうん頷いている。


「…ワケわかんねぇ」


「おまえ頭が麻痺してるからな。でも分かんないくらいが平和でいいと思うぞ」


「はあ… 」


『さあ行くぞ!』と張り切る課長に続いて課員もゾロゾロ歩き出す。



その最後尾を歩きながら人知れずため息をついていた。

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